体の調子が悪いとき、仕事や家事などのやるべきことが多いとき、趣味であるバレエにはなかなか時間が割けないというのが大人バレエの悩みではないでしょうか。レッスンに行けない時間が長くなると、モチベーションも下がってしまいますが、隙間時間にバレエの世界に触れることでモチベーションを保ったり、イメージを膨らませることができるのではないかと思います。
映画を観る
先日『赤い靴』というバレエ映画では王道の作品を観ました。
内容はあらすじを読んでいてわかっていたはずですが、ヒロインの辿る道が気になり、徐々に引き込まれていき、最後には日本人にはあまり感じられない感情の起伏による大どんでん返しに驚きました。
肝心のバレエシーンと言えば、舞台「赤い靴」の本番シーンはまるで全幕をリアルタイムで見ているような表現の豊さを感じました。舞台の奥から主人公と客席を覗くようなカメラワークであったり、自然の景色を嵌め込んだエフェクトであったり、踊りをやめたいのになかなかやめられないヒロインの鬼気迫る表現力などなど、素晴らしいものばかりでした。
場面も次々と変わり、それぞれにストーリー性があるので、本物の舞台を見てみたいなと強く思いました。
レッスンの様子や、プロになる厳しさは今も昔も変わらないようです。
この作品以外にも、コロナ禍での劇場閉鎖から再開までを追った『新章 パリ・オペラ座』も大変素晴らしかったし、『ダンシング・ベートベン』も1つの舞台を作り上げる苦労がわかりました。
バレエ自体がクラシックな芸術であるため、映画は時代を問わず通じるものがあり、どの時代のものを見てもその美しさにイメージを作りやすくなるのではないかと思います。
本を読む
図書館にもダンス関連の書籍があるので、たまに行っては1、2冊借りてきます。今回借りたのはこちらの『バレをやりたい!』。「大人からのバレエ」という文字に親近感が湧き、ワクワクしてしまいます。
内容はいろんな方のバレエを始めるきっかけや教室探しの経緯、これからの目標などとともに海外のバレエスタジオやショップなど情報が載せられているのですが、幾分時代が一昔前なので、情報はあまり参考にできないようです。
印象に残ったのは、バレエを楽しんでいる大人への共感でしょうか。
バレエを始めるきっかけは本当に人それぞれで、お子さんの教室について行ってみたら興味が湧いたなどほのぼのしたお話しから、ご家族のご病気や死亡を経て、外の世界でも生きられるんだということを示すためという、私の想像を超えたきっかけもありました。
また、男性ダンサーのご意見も書かれているのですが、今でこそ多少増えたものの当時はやはり少なかったようで、更衣室がないなどのご苦労やひょんなことから教室を去ってしまったりというエピソードがありました。ハード面では進歩したでしょうが、クラスメートとのデリケートな問題は日本では今もまだあるように感じました。
今はネットが発達しているので、本著にある教室をタウンページで探すような苦労はないですが、バレエを楽しんでいる大人のエピソードや気持ちを知る上で良い著書であるなと思いました。
また、怪我をしないように日々のレッスンで気をつけること、発表会の大体の流れなどがわかり、とても参考になるとともに、これからどのようにバレエと向き合うかを考えるきっかけにもなりました。
日頃から美しいものに触れることがバレエ上達につながると信じていますが、教室に通えない時でも映画や本でバレエに触れることで、想像を膨らますことはできると思います。
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