台湾にあって日本にはないもの、それは「池上弁当」。お弁当文化は日本統治時代に伝わったものだと思いますが、今思い返してみると、お米のおいしさや栄養バランスにおいては台湾のお弁当の方がずっと優れていたようです。池上弁当とはちょっと異なりますが、台湾のお弁当が食べられるスポットが福岡にできたとのことで、行ってきました。
木と紙のお弁当箱
田舎の隅々までコンビニが連立する台湾ですが、伝統的なお弁当を売るお店もまだまだ残っています。
台湾の生活ではあまりにも当たり前になっていた「池上弁当」。「池上」とは台湾東部の米所の地名です。
お肉や魚のメインと、煮卵や豆乾(豆腐を干したもの)といった定番おかずの他に、野菜炒めなどがバランスよく詰め込まれていて、OL時代はお昼に週1回以上は食べていました。
そしてなんと言っても特筆すべきなのがそのお米のおいしさ。日本人は海外のお米の味に期待しないどころか、諦めているところもあるはず。でも、台湾の蓬莱米は味、歯応え共に日本のお米に似ていて、そしてそれがなんと木の箱に入っているのです。
日本の木のお弁当箱と言えば「わっぱ」ですが、台湾のお弁当箱は使い捨てです。ご覧のとおり、お弁当箱の箱部分が木の板、蓋部分が紙でできていて、箱部分は薄い木の板を合計5枚組み合わせ、それを薄い紙で覆って貼り付けています。この木のおかげでご飯の水分が吸収されるので、べちょべちょにもカピカピにもならず、おいしいさを保つことができます。
上のメインはエビのすり身が入った天ぷらです。注文を受けてから揚げてくれることが多いので、熱々を食べられます。
こちらは雞排(ジーパイ)、鳥の唐揚げです。鶏肉を叩いて伸ばし、片栗粉やサツマイモの粉をつけて揚げたものです。お弁当とは別に紙袋に入れてくれます。ジーパイはあまりに大きいので、お友達と半分にしました。
どちらも青菜に、白菜や糸瓜などの炒め物が入っていて、彩り豊かだと思いませんか?台湾に行った当初は、日本のようにバランで仕切ったりせず、ご飯の上に豪快におかずが乗っけられているのを見て、美意識の無さや味が混ざってしまうことに呆れていましたが、すぐに慣れ、後には合理的とさえ思うようになりました。
ちょっと油と糖分の量が多いですが、台湾のお弁当屋さんはその場で作っているところがほとんどです。注文を受けてから調理して熱々を詰めるところが多いため、ご飯が冷蔵してもに硬くならないようするための薬品や、添加物が日本のお弁当より遥かに少なく、ずっと健康的ではないかと思います。
昆布や海藻などの副菜がついていることも多いので、栄養バランスもいいです。もし台湾に旅行に行くことがあればぜひその土地の池上弁当を食べてみてくださいね。
福岡であの味を
とは言っても、なかなか自由に渡航できる目処は立ちません。
福岡に「友誼商店」という中華食材スーパーができたと聞き、フードコートも併設されているそうなので早速行ってきました。
入り口を入ると3つのミニフードコートがあり、一番奥に台湾のお弁当を提供している店舗がありました!懐かしい甘い台湾ソーセージやピータン豆腐の写真が見えます。
私は台湾の駅弁を頼みました。これこれ!木の箱ではないですが、このステンレス製でサイドがパチっと止められるタイプは電鍋で温めできるやつですね。電車の図柄もとてもかわいい。
蓋を開けると豪華‼︎下の段にはご飯にジーパイ、ルーロウ、手羽元の煮込みが乗っています。上の段には、セロリ、キクラゲ、ブロッコリーの和物と厚揚げ、ゆで卵の煮たの。まるでOL時代に戻ったような気持ちになりテンションが上がります。
お味もバッチリでした!敢えて欲を言うならば、全体的に優しい味付けだったので、私はもっと八角などのスパイスが効いても良かったかも。
食材コーナーではいつもスーパーで目にしていた泰山のピーナッツ缶詰シリーズが。まるで台湾にいるかのような錯覚に陥ります。
日本人にとっては何に使うのかよくわからない調味料が所狭しと並べられたこの感じ。これまた嗅覚とともに台湾での生活がフラッシュバックしそうな感覚になります。
懐かしいお菓子もいろいろと置いてありました。
台湾のお弁当に食材にと興奮しっぱなしでしたが、おいしくバランスの良いお弁当も食べられて、台湾気分にも浸れるのでオススメのスポットになりました。
冷凍食品や火鍋の材料など種類も豊富だし、どのフードコートの店員さんも親切だったのでまた行きたいと思います。
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