世界のどこかの子供達が踊る喜びを味わってくれたら嬉しいなと思い、レオタードとシューズを寄付しました。自分にとっては不用品となったものも、使ってくれる人がいるかもしれない。寄付は年末の大掃除や断捨離に一役買ってくれるかもしれません。
日本に暮らすことは幸せなことと知る
バレエ用品を寄付しようと思い立ったのは、先月に聞きに行った藤原ひろのぶさんとバレエの公演がきっかけですが(シェアする喜び)、最近脱北者の手記『生きるための選択』を読み、ますますその思いが強くなりました。
読後特に北朝鮮の人々のために何か行動を起こそうという思いには至りませんでしたが、自分がいかに恵まれた環境にいるかを思い知りました。
特に印象に残ったエピソードは、著者がお金持ちのお友達の家に行って、ゴミ箱に卵の殻とみかんの皮が捨ててあったのを見てびっくりしたこと。著者曰く、卵が食べられるのはお祝いの時のみ、みかんは家族で分け合うもので、一人で丸ごと一つを食べたことはなかったそう。それも2000年代のことです。
私は冬は寒さを凌げる家もあるし、卵もみかんも好きなだけだけ食べられる。北朝鮮では常に他人を批判し、批判される批判大会なるものがある。片や私はマスクをしていなくても誰にも何も言われない。なんと自由で豊かな社会に生きているのだろうか、やはり彼女と私の違いは生まれたところにしかないと身にしみて感じたのでした。
お金を寄付したり、何かの署名運動に参加するよりも、やはり自分の益にもなって、他人の喜びにつながるものにもしたい。そう思い、持っているバレエ用品を寄付することにしました。
バレエ用品を寄付しました
不用品についてはフリマアプリで売るという手もあり、実際にプレトゥシューズは売りに出していたのですが、これがなかなか売れない。着古したレオタードについては、売る方も買う方も気持ちが悪いので、捨てようかと思っていました。
私の偏った妄想かもしれませんが、レオタードなど日本の変な趣味の男性が購入する可能性もある…。そうなると気持ち悪い。けれど、東南アジアの子供達が使ってくれると想像するだけで、不思議なことに気持ち悪さが払拭されるどころか、喜びさえ湧いてくる。不用品を寄付に回してくれる団体があることを知り、迷わずここに送ることに決めました。
今回寄付したのはこの4点です。
左下の鮮やかなレオタードは、お友達がよかったら着てと送ってくれたものです。ベロアのような生地の切り返しとお花の模様がとても可愛く、一目見て気に入ったのですが、残念ながら私にはちょっと大きかったです。彼女に寄付してもよいか尋ねると、快諾してくれました。
ネイビーのレオタードは、私の記念すべき1着目のレオタード。人生初めて着るレオタードにめちゃくちゃ緊張して恥ずかしかったのですが、勇気を出してレッスンに出てみると、(当時台湾の)先生から「きれーい」と言われたのを思い出します。所々ゴムの白い繊維が見えるのと、他にも購入したので次第にこれを着用する機会はなくなっていきました。
こちらはトウシューズに挑戦する前に、シューズの硬さに慣れるために購入したプレトウシューズ。これを穿いている人は少ないので、その存在もあまり知られておらず、先生に聞いてみるのも結構勇気が要ったことを思い出します(トウシューズへの道)。つま先で立つことはできないので、足が成長段階にあってトウシューズをまだ履けない子供でも使ってもらえそうです。
こちらは私の1足目のトウシューズ。トウシューズに対しては強い憧れと、自分にできるかという不安があったので、フィッテングして購入した時や初めてポワントで立った時の感動は忘れられません。その後上手になりたくて猛練習した時期や足指が痛くてグッズをいろいろと試したこともあったなと、さまざまな思い出が甦ります。2足目を購入してこれはもう履かなくなったので、飾っていてもよかったのですが、使ってもらえた方が嬉しい。トウシューズ履いてみたいけど、買えない…という子の元に行くことを祈りながら送ることにしました。
シューズは袋に分けて「つま先では立てません」と「パッドが別途必要です」というメモをマステに書いて貼りました。英語で書こうかと思いましたが、どう表現するかわからないのと、日本の子供のところに行くかもしれないので日本語にしました。
あと一筆箋に簡単なメッセージも添えて。レオタードを提供してくれたお友達のイニシャルも併記しました。
翌日には団体に届き、ご報告の中に私のイニシャルと内容物が記載されていました。どこの国に行くのか、日本でリユースされるのかまでは追跡できませんが、こうやって無事着いたことを報告していただくだけでも安心できるし、嬉しいです。
年末の大掃除や断捨離で喜びを
人間は自分が手に入れて喜ぶよりも、自分がしたことで人が幸せになっているのを感じる方がより幸福感を感じるのだそうです。
今回バレエ用品を初めて寄付してみて、こちらは送料を負担するだけで不用品を片付けることができるし、それが寄付にもなる。自分の益にもなるし、何より自分自身が喜んでいると感じました。
日本は大量生産、大量消費の社会です。便利になるほどにやらなければいけないことが増え、忙しくなる、例えば洗濯機が普及したから洋服が増え、洗濯回数も増える…と藤原ひろのぶさんもおっしゃってました。
確かに洗濯板や石鹸しかない時代は、着る物は何日も着まわしていただろうし、日々の洗濯は下着や手拭いなどを洗う程度だったかもしれません。
一度身の回りをシンプルにしてみて、いいもの、好きなものを大事に使うということを考えてみてもいいなと思いました。
冬服や日本の節句をお祝いするもの、日本語の漫画など寄付できないものも詳細に載っていますので、大掃除で出た夏服などの不用品、子供が使わなくなったおもちゃなど捨てるにはもったいないと思うものを寄付に回してみてはどうでしょうか。
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