米粉マフィンをよく作るようになり、台湾の代表的なカップケーキ「桂圓蛋糕(グイユェンダンカオ)」を自分で作ることはできないかと思い至りました。材料入手と準備には少し手間がかかりましたが、懐かしいあの味を再現することができました!
桂圓蛋糕(グイユェンタンカオ)って?
「桂圓蛋糕(グイユェンタンカオ)」とは、干した龍眼やクルミが入った素朴な台湾のカップケーキです。
台湾ではケーキ屋さんとパン屋さんが一緒になったところが多く、“順成蛋糕”や“一之軒”と言ったチェーン店にはこの桂圓蛋糕が必ず売ってありました。もとは彰化県の名物だそうですが、台湾ではとてもポピュラーで全国的にあり、お友達によくもらったり自分で買って食べたりしていました。
龍眼(ドラゴンアイとも)は、ライチとほぼ同時期に出回る、味もライチに似た果物です。ただライチよりも水分は少なく、独特の漢方のような風味があります。龍眼を干したものを桂圓と呼び、漢方の一つで、こんな薬効もあるそうです。
心と体を補い補血、滋養強壮の効果が有るとされる。疲労、不眠、貧血、病後、産後の肥立ち、また胃腸に効くとされる。
Wikipedia
桂圓蛋糕作りにはまずは龍眼の干したものがないと始まらないので、デパートや輸入食品売り場の棚から探し始めました。ですが、あるのは人気のデーツやマンゴーなどのメジャーなものばかり。中華食材のお店なら置いてあるだろうと尋ねましたが、ここにもないとの返答。結局ネットショップで台湾産のものを購入しました。
結構大きめの袋に300グラム入っています。袋を開けるとほのかに漢方のような香り。殻がついたドライ龍眼を初めて見た気がしますが、ほぼ生の時の形を保っており、あの味が舌に甦るようでした。ただ、日本では生を食べることはできないなと改めて植生や風土の違いを感じます。
甘栗を割るように殻を押してみると簡単に割れました。中から結構しっとりとした果肉が現れました。
生でも可食部分は薄く種が大きいので、それを指で丁寧に剥がします。種から取れた実を一つ味見してみましたが、柔らかくて上品な甘みと若干の漢方のクセがありました。
約半量(150g)を30分かけて実だけを取り出しました。取れた分は70gでした。
殻剥きに結構時間がかかったので、既に果肉部分だけになっているものを購入してもいいかもしれません。ただ、今回は豆乳に10分ほど浸すだけでよかったので、殻付きの方がしっとり度が高い可能性もあります。
材料と作り方
用意するのはこちらです。
材料 | カップ6個分 |
ドライ龍眼 | 70g |
豆乳(牛乳) | 50g |
卵 | 2個 |
黒砂糖(きび砂糖) | 60g |
太白ごま油(米油) | 40g |
くるみ | 30g |
米粉 | 120g |
ベーキングパウダー | 5g |
1.粗く刻んだドライ龍眼に豆乳を加え、軽くかき混ぜ10分ぐらい漬けておきます。
以下、その都度泡立て器てよく混ぜながら材料を加えていきます。
2.ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を加えます。
3.油を加えます。
4.飾り付け用にクルミを少しとっておき、残りのクルミは粗く刻んで加えます。
5.1の豆乳と龍眼を加えます。
5.米粉を加えます。(粉っぽさがなくならずかき混ぜにくいようでしたら、ここで豆乳(牛乳)を足して調整してください)
6.ベーキングパウダーを加えます。
6つのカップに注いで上に飾り付け用のクルミを載せ、170度に予熱しておいたオーブンで25分間焼きます。
きれいに焼き上がりました。
コーヒーとともにいただきます。
これこれ、この味!ねっとりとした龍眼の食感と甘みがいいですね!ケーキにすることで漢方臭さはほぼ消えており、美味しくいただけました。クルミの歯応えも美味しさを添えています。今回はマスコバド糖を使ったので、甘さが控えめになりましたが、黒糖を使うともっとコクのある味に仕上がると思います。
昨今巷では台湾カステラなるものが流行していて、私も米粉で作ってみようかと思っていたのですが、食べた記憶なく、再現できなさそうでした。聞くと最近流行し始めたものらしく、一昨年帰国した私はなるほどという感じでした(笑)。桂圓蛋糕は台湾人や台湾に住んだことがある人にしか台湾を想起させないかもしれませんが、私の「好き」と「思い出」が詰まったお菓子なので、将来的に台湾カフェをやるとしたら出したいな…などと妄想を膨らませています。
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