1年ぐらい前にちょうどこんな記事を書いていました。
一瞬で目を奪われたマリア・コチェトコワさんのことです。
その時、マリア・コチェトコワさんも重力を感じさせない動きがすごく魅力的だったのだけれど、
それを可能にし、尚且つ自己主張することなく世界観を作り上げているパートナーの
セバスチャン・コルボーグ(?)さんもとってもかっこよくて、
とても印象に残っていました。
最近、この二人の動画が発表されました。
この動画は、4月5日〜8日にコペンハーゲンで作られたそうです。
リハーサル、撮影、制作など全てがデンマークのパンデミックコンプライアンスに適合しているそう。
若干長い動画ではありますが、
私がぜひ見てほしいのは11:15あたりからの夕暮れのシーン。
何とも表現し難い色の空のグラデーション、
遠くにぽつぽつと見える都会の明かり、
二人の間を吹き抜けていく風。
全てが美しい。
私はこれを見て、
外出自粛、ロックダウンの下では何もできなくなる、
自由が何者かによって規制されているような気がしていたのは、
全て自己暗示だったのかもしれないと思いました。
バレエもスタジオでの自主練を自粛するようになって、
すっかりやる気を失っていた最近。
この動画を見て、
スタジオや教室がないから、
教えてくれる人がいないから、
広いところがないから(いや、外に出ればいくらでもある)、
できないと思っていたけれど、
それはただの言い訳だったことに気づきました。
実は「コロナに負けるな」という言葉に強い違和感があるんです。
(自分はコロナにかかっていない、もしくはかかっていたとしても発症していないから
こんなことが言えるのかもしれませんが)
どうしてそんなに敵対するんだろうと。
自然発生か、はたまた人工的に作られたものかはわかりませんが、
ウィルスは無機物でも有機物でもなく、波のように存在する。
それらはただ存在しているのであって、
人や生物を傷つけようなんて思ってないはず。
人間だって、生まれて来た時から祝福されて、
そして周りに生かされて、ただ生きている。
生きながら環境を破壊してやる!なんて思って思ってないはずです。
それと一緒のような気がします。
基本的な人の営みだって変わっていないはず。
ダンサーはただ踊る。
劇場や公演がなくなっても、
誰が見ていなくてもただ踊る。
そういうことなんじゃないかと思うんです。
「負けない!」とか「○○を避けろ!」なんて声高に叫ばなくてもいい。
ただそれをそこにあるものとして受け入れる。
それしかないんじゃないか、
いや、全てそうなると思うのです。
敵をわざわざ作らなくても、
ただ自分のやりたいことをやりたいようにやる、
実は誰もあなたのことを制限していない。
だから、なんでもできる。
そんな気づきをくれた動画でした。
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