全て体内にある

映画・音楽

ここのところ三味線の音色になぜか惹かれ、音楽ダウンロードで三味線の音楽を探してみたところ、この味わいのある版画のジャケットに目が奪われてしまいました。そしてアルバムの『ひびきあう音色 からみあう感性』という名前にピンと来て購入しました。

結果、購入して正解でした(もちろん視聴はしましたが)。15曲も入っていますが、どれもよい。リズムを取ったり踊ったりするもよし、寝転がってBGMとして聞き流すのにもよしといった感じで、気分も上がるけれど、リラックスもできるという不思議な世界が繰り広げられているように感じました。音が一定ではなく、弦を弾いて撓ませるその変化が心地よいのか、クラシックなどの西洋音楽にはない、つかみどころのなさに独特の魅力を感じます。

どんな方達なのだろうと調べてみると、弾き手の佐藤通弘さん、佐藤通芳さんは親子であることがわかりました。上のジャケットで言うと、どうやら右側の小さめの人がお父さんで、左側の着物のような格好で草履を履いているのが息子さんのようです(意外です。笑)。音に重ねられる「はっ」とか「あい!」という掛け声もとてもよい。

アルバムの中の「アパラチアン三味線」という曲もYouTubeにアップロードされていました。三味線は他の民族楽器とも相性がいいようですね。見ると今年の夏に行われたオンラインライブのようなので、ぜひ生で聞いてその迫力を味わってみたいと思いました。

音(波)と人間の認知の関係を聞きかじるようになり、そのような視点で音楽を聴いてみると、体内に存在している物質やリズム(周期)と共鳴しているから、この音色が認知できているのだということにとても感動します。

リズムは体内に鼓動だったり、電気信号や物質伝達の様々なスピードを持っているが故に楽器が奏でるリズムを認識できる。音の高さ(周波数)や音質(倍音)も体内にその周期があるから認知できる。物質で言えば、三味線の素材の猫の皮や弦の絹糸、バチのべっ甲もタンパク質でできている。木の繊維も体に存在していますしね。だからそこから生み出される音も認識できるのは当然のこと。

まあ人間が認知できる範囲で楽器が作られ、人間が演奏するのだからと言えばそれまでなのですが。ただ沖縄の三線や三味線の音にどことない懐かしさや落ち着きを感じる人は多いはず。それは体内にあるものが共鳴しているのかと考えると、とても感慨深いものがあります。

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