先日、今年初めての語学勉強会を行いました。前回までは数字、買い物、食べ物の名前などを勉強していたので、今回はその復習をしようと思い、大好きな映画『藍色夏恋』からあるシーンを抜き取り、台湾らしい会話のやり取りを勉強することにしました。
映画は現地の文化を知るツール
今回教材として使用することにした『藍色夏恋』という映画。日本で公開されたのは2003年だそうですから、もう18年前の作品になります。
その頃私は台湾に住み始める前で、日本でコツコツとお金を貯めていました。旅行で訪れた台北でVCD(DVDではなく!)を買い、繰り返し見て中国語を勉強していた記憶があります。緑の多い街並み、空が見渡せる建物の屋上、耳に心地よい中国語。全てが憧れで、愛おしく思えました。
今回勉強することにしたのは、チェンボーリン演じる士豪(シーハオ)がグイルンメイ演じる克柔(クーロウ)のお母さんのところで餃子とスープを頼むシーン。士豪が食べたい水餃子の個数やスープの種類を伝えるのですが、ことごとくお母さんに勝手に変更されてしまいます。
早口で喋りまくるお母さんとそれに圧倒される士豪。お母さんが士豪と娘が同じ高校に通っていることを知り、更にフレンドリーになるところ。こういうところにも台湾らしさが出ていて、会話だけでなく、文化や国民性を感じる機会になるのではないかなと思いました。
映画を半分ぐらいまで鑑賞してもらい、その後ざっと単語の読みと文法を解説しました。そして会話形式で役を交換しながらの練習。限られた時間でちょっと早足になってしまったのでわかりにくかったかなと心配していたのですが、「ユニークで斬新、わかりやすい」という感想をいただけました。そして一番嬉しかったのが「すごく楽しかった!」とのお言葉。
思えば、セリフ起こしをしている時も私自身がものすごく楽しかったし、何回も同じシーンを再生しては字や注音符号を打ち込む作業も全く苦痛ではなかった。どんな風に説明したらわかりやすいだろうかと知らず知らずのうちに妄想もしていました。伝える方もワクワクして準備したことが、相手にも喜んでもらえて本当によかったです。
また、ある方からタイミングよくクラウドで音声や板書をシェアする方法を教えていただいたので、そのシーンを録音し、メンバーでシェアすることもできました。いつも1ヶ月に1回あるかないかの勉強会。間が空きすぎて忘れちゃうことの方が多いのですが、音声がいつでも聞ければ、知らず知らずに発音やその速さに慣れていくのではないかと思いました。
中国語勉強に関して、学校から配られたり、市販の語学テキストを使ってきた私としては、会話がいつ、どのように使われるのかいまいちピンとこない。現地の人もテキストのようにはっきり、ゆっくり発音してくれるわけでもないんだと気づいた経験があります。
映画は生きた会話を学べると同時に、文化や風景も知ることができるいい教材であるなと思いました。逆に、日本のアニメも世界中で放映されているし、しかも台湾の声優さんは日本の声優さんが中国語喋っている?と思うぐらいに声がそっくり!慣れ親しんだアニメを外国語で見て、それらを教材にしても面白いかもしれません。
映画を見て訪ねれば、もっと面白い
『藍色夏恋』を見たため、Amazonでオススメとして出てきたのが『台北に舞う雪』でした。こちらもチェンボーリン主演の作品で、存在自体は知っていましたが、台北に人工雪でも降らせた嘘っぽいラブストーリーかな?と天邪鬼に考えてしまって、今まで見たことがありませんでした。
今後の勉強会で使えるかなと思い何気なく見始めたのですが、台湾の知っているところがたくさん出てきて、すごく懐かしくなりました。しかもヒロインのメイを演じた女優のトンヤオさんは、一昨年ぐらいにハマった中国時代劇『如懿傳』で主人公の如懿(ジョウ・シュン演)を虐める貴妃役をしていて、いろんな意味ですごく興奮してしまいました。
舞台の菁桐(チントン)は、私が長年勤めた会社を辞めてぶらぶらしていた頃、日帰り旅行で訪ねたところでした。木造駅舎と向こうに見える青い空、伸びる椰子の木が台湾を感じさせます。
訪ねた時は大して何も感じなかった願い事が書かれた竹筒でしたが、映画を観た後では、モウ(チェンボーリン)とメイ(トンヤオ)が走り抜けていた緑のトンネルだと感慨深くなりました。
モウが撫でてカラカラと音を立てていた竹筒。写真を撮ったときはきれいだなぐらいにしか思わなかったけれど、もし映画を見た後に訪ねていれば、もっと感動したかもしれません。
やっぱり食事は台北の方がおいしいかもと感じた、汁なし麺とエビ巻き。
でも、そのレストランはモウがメイを宿泊させるために連れてきた宿のようでした。
私が訪ねた日はものすごく暑く、ちょっと歩くだけで汗ビショビショ、喉はカラカラに。熱中症になりそうだったので、カフェで一休みすることにしました。台湾の平溪線は電車が来ていなければ、自由に線路内を行き来することができて、まるで「スタンド・バイ・ミー」のよう。
菁桐駅の線路を跨いで向こう側に渡れば、赤煉瓦の古そうな建物が見えました。登って行って入り口に回ると、そこは倉庫を改造したような広いカフェでした。
中には昔小学校で使われていたような机と椅子が。
広い店内にお客さんは数人。アイスラテとお冷で生き返りました。私の菁桐の1番の思い出はこのラテがおいしかったこと。
【碳場咖啡百大歴史建築】
菁桐は台北からも日帰りで行けるので『台北に舞う雪』を観てから訪ねたり、訪ねた後に鑑賞すれば、また楽しさも倍増すると思います。
映画の至る所が私の台湾の思い出を鮮やかに蘇らせてくれたのですが、最後にランタンを飛ばすシーンが2005年に台北で見たランタンフェスティバルの様子の思い出せてくれました。明日はちょうどランタンフェスティバルである元宵節。動画を観て、懐かしい気分に浸ることにします。
コメント